伊賀市守田地区には室町時代の十三仏が二基残されています ここでは川勝政太郎氏が書かれたものを参考にして 守田北地蔵十三仏と守田南地蔵十三仏と呼ぶことにします
守田北地蔵十三仏
永正五年(1518)
伊賀市有形文化財(北側一基)
九品寺門前の道を南に 左手の丘陵に沿って進んでいくと すぐに岩肌に彫られた磨崖仏が目に留まります
右側の舟形光背の中には地蔵菩薩立像 その左側の長方形の枠の中には三列四段の十三仏が肉彫りされています 地蔵菩薩の下には永正五年(1518)の銘が残るっていて伊賀市の有形文化財に指定されています
守田南地蔵十三仏
さらに道を南下すると すぐに右手に覆屋が見えてきます そこにも自然石に刻まれた十三仏がお祀りされています 地蔵尊と十三仏のレイアウトが先の北地蔵とは逆になっているのがわかります
十三仏
十三仏(じゅうさんぶつ)は、十王をもとに日本で考えられた、冥界の審理に関わる13の仏(正確には仏陀と菩薩)である。また十三回の追善供養(初七日~三十三回忌)をそれぞれ司る仏様としても知られ、主に掛軸にした絵を、法要をはじめあらゆる仏事に飾る風習が伝えられる。
Wikipediaより引用
13の仏とは、閻魔王を初めとする冥途の裁判官である十王と、その後の審理(七回忌・十三回忌・三十三回忌)を司る裁判官の本地とされる仏である。
十三仏と対応する裁判官
初七日 不動明王(秦広王)、 二七日 釈迦如来(初江王)、 三七日 文殊菩薩(宋帝王)、 四七日 普賢菩薩(五官王)、 五七日 地蔵菩薩(閻魔王)、 六七日 弥勒菩薩(変成王)、 七七日 薬師如来(泰山王)、 百カ日 観音菩薩(平等王)、 一周忌 勢至菩薩(都市王)、 三回忌 阿弥陀如来(五道転輪王)、 七回忌 阿閃如来(蓮華王)、 十三回忌 大日如来(祇園王)、 三十三回忌 虚空蔵菩薩(法界王)です。
参考書籍
「伊賀の石仏拓本集」P105〜106 市田進一
「三重県石造美術」P232 太田古朴
「伊賀」P52 川勝政太郎
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