鎌倉後期
伊賀市指定文化財
山あいの里の美しい石龕仏
清岸寺の境内に入ると本堂に向かって左手の墓地の入り口に立派な石の祠が見えます その石材で組まれた石龕の中に阿弥陀さんが坐っておられました 美しい姿の阿弥陀さんです 宝珠や笠石も立派で600年以上前のものとは思えないほどです



伊賀市指定有形文化財建造物 阿弥陀三尊石龕仏
伊賀市教育委員会石龕高さ 117㎝
現地案内板より引用
中尊坐高 47㎝
脇侍坐高 28㎝
この石龕仏は花崗岩でつくられた堂宇型のもので奥壁に中尊阿弥陀如来、左右の側石に勢至、観音の両菩薩を配して三面による阿弥陀三尊像を構成している。
像容にすぐれ、表情の美しい阿弥陀三尊である。これほど整ったものは県内では類例がなく、近畿一円においても数例しかないものと思われる。
中尊は線刻による二重円後背を有し、ふくよかな面相、体躯である。衣紋は通肩型で、両手首から膝下までを左右対称に流している点が独特な手法である。これに対し、脇侍の二重円後背は彫り込みによるもので、右側の観音菩薩は蓮華を持ち、左側の勢至菩薩は合掌している。三尊とも坐像である。
石龕頂部に宝珠が乗った屋根石は、側壁を覆うために大きく、鎌倉様の軽やかな軒反りを見せている。
鎌倉後期から阿弥陀信仰が当地に伝えられてきたことを如実に示すものとして貴重なものである。


参考書籍
「伊賀の石仏拓本集」P151 市田進一
「石仏ー庶民信仰のこころ」P166 清水俊明

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