地蔵三尊石仏

お寺への石段を登りきったところで何体かの石仏が出迎えてくレました
並んだ石仏の一番左手奥に立つ三尊像 阿弥陀三尊かとおもったら三体とも地蔵さんです 一石に地蔵三尊を彫り出した石仏はそれほど見かけません 長田のおもん地蔵さんや見届け地蔵さん ほかは伊賀古郡の常福寺に慶長十九年銘の三尊像があります 光背裏面には板彫五輪塔が彫られている点も他に例が少ないとおもいます 室町末期の造立です
古式地蔵石龕仏

板碑のような駒形の石の正面に長方形の龕部を彫り窪め その中に地蔵立像が半肉彫りにされています 左手に宝珠を持ち右手は錫杖を持たない古式の地蔵さんです 市田進一氏の『伊賀の石仏拓本集』に「龕部上の三角形を呈する面に、四茎蓮華とみられる線刻がある。」とあるが やはり拓本でないとはっきり見ることはできません 室町時代の作と見られています
天正七年銘地蔵立像石仏

本堂から離れて墓地に向かうと墓地の中央辺りに立つ地蔵さん 天正七年の銘があります 伊賀には天正の頃の地蔵さんは多いのですが 錫杖や蓮弁など丁寧で手慣れた作りから評価の高い地蔵さんです 光背上部に地蔵の種子 ह カが彫られています
二石六地蔵石仏

墓地の入り口に置かれる六地蔵さん 名張には一石に六体の地蔵さんが彫られたものが多く残されていますが ときどき中央でふたつに分かたれた二石六地蔵が見られます

参考書籍
「伊賀の石仏拓本集」P226〜228 市田進一
「名張の金石文撰ー石仏•石塔編」P102〜104 名張金石文研究会
コメント