蓮生寺の阿弥陀坐像石仏 伊賀市蓮池

南北朝時代

久しぶりに蓮池の蓮生寺に行ってみました 
立派な無縁塔の正面に美しい阿弥陀さん 
蓮池には蓮の字のつくお寺が三箇寺あったらしいのですが 天正伊賀の乱で全てが灰燼になってしまい 蓮の池しか残らなかったことから蓮池と言われるとのことです

日神型に分類される阿弥陀さんです 津市美杉町太郎生の日神墓地の阿弥陀さんと同じ特徴を備えています 裾をまるめられたような衣文の処理が特徴的です 森寺長隆寺の阿弥陀さんと同じ作者かとも考えられています 摩耗も少なく よいお姿の阿弥陀さんです

コリドールロードができて青山方面からの交通がとても便利になりましたが さて昔の人はどの辺りを歩いていたのだろうと思いGoogle Mapを眺めてみました 上野方面から友生を抜けてきて在所を東西に横断している県道56号は蓮池を通過した後で北に急旋回して大山田へと繋がっています そして上友生から蓮池の手前で摺見に下って比自岐へ続く道 それとは別に蓮池から高山を廻って摺見へそして比自岐へと続く道 これらを眺めているとここが上野 大山田 比自岐を結ぶ交点にあることがわかります 比自岐から南へは現在の県道683号より少し北側の山中を北山へ抜けることもできただろうとおもいます  (※この道は北山地蔵さんが所在する古道) さらに北山から伊勢路まで出れば初瀬街道に出ます そこからは東に向けば青山を越えて東国へ 西に向けば初瀬を通って関西へ 南へ向けば美杉から伊勢本街道に接続しています
好きで六地蔵石幢を調べていますが 上野から旧青山町を通って美杉から伊勢までと 参宮の人の流れともに浄土信仰や石の文化が伝えられたのだろうとおもうのですが 蓮池の阿弥陀さんと美杉太郎生の日神の阿弥陀さん 現在では突拍子もない遠く離れた場所のように思えますが 約30km その気になれば一日で歩ける距離です 伊賀盆地の南部はともに神宮領が多かったこともあって 旧青山町から美杉の辺りとの往来は意外に多かったのではないでしょうか

参考書籍

「伊賀の石仏拓本集」P155 市田進一 
「石仏ー庶民信仰のこころ」P163 清水俊明 

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