空鉢山不動堂
三田の集落からはずいぶん離れた山中 大きな岩の塊を覆うようにしてお堂が建っています
岩には不動明王を中心に 左右に七体の地蔵さんが彫られています
ここにも
ここにも
ここにも
ここにも
話は変わって この写真は奈良県山辺郡山添村大塩の鍋倉渓
不思議な場所です
大きな黒い石が累々と谷を埋めています
硬い斑糲岩が時間をかけて谷間に集まり
さらに長い時間を侵蝕に耐えて地表に露出した姿だといいます
いまはむかし
神野山の天狗が伊賀の青葉山の天狗とケンカをしたんや
伊賀の天狗は青葉山の大岩を神野山の天狗に礫のように投げつけたんやてさ
その大岩でできたのが鍋倉渓なんや
おかげで伊賀青葉山は禿山になってしもたんや
伊賀で青葉山という山は聞いたことがありませんが
力自慢の天狗なら寺田の岡山でしょうか
でも 岡山は禿山ではありませんね
天狗と言って思いつくのは小天狗清蔵だろうか
でもこちらは実在の人物なので 神野山の天狗のケンカ相手にはなりそうにない
岡田には天狗亭跡というのもあるようですが
世直し縛られ地蔵さんと同郷の暴れん坊天狗というのもいかがなものかとおもうし
岡田あたりで谷を埋め尽くすほどのお手頃な石があるともおもえない
そういえばと思いついたのが三田の空鉢山
ここなら天狗がいてもおかしくない気がします
空鉢山という名前が良いですよね 地元では くうはつざん と呼ぶそうですが
信貴山縁起を想起させる良い名前です
以下にWikiから一部引用させていただきました
信貴山縁起 飛倉の巻
信貴山に籠り修行に励む命蓮法師は山から下りずに仏道に励み、法力で鉢を麓の長者の家へ飛ばして、その鉢に食べ物などを乗せてもらっていた。ある日、法師が法力で飛ばした鉢がいつものように麓の長者宅へ物乞いにやって来た。長者は「いまいましい鉢よ」と言って、鉢に食べ物を入れることもなく、倉の隅に放っておいた。家人は鉢のことを忘れて取り出しもせず、長者は倉の鍵をかけてしまった。すると、倉がゆさゆさと揺れ始めたかと思うと、地面から一尺ほども浮き上がるではないか。人々が大騒ぎして見ていると、倉の扉がひとりでに開き、中から件の鉢が飛び出した。鉢は浮き上がった倉を上に乗せると、倉ごと山のかなたへ飛び去ってしまった。
長者一行は、倉の飛んで行った先を見定めようと後を追って行った。倉は法師の住房の脇に、どすんと落ちた。長者は法師に面会し、「かくかくしかじかで、鉢を倉の中に置き忘れたまま鍵をしてしまったところ、倉がこちらへ飛んできてしまったのです。なんとかこの倉を返していただけませんか」と相談した。法師は、「飛んで来た倉はお返しできかねるが、倉の中味はそっくりお返ししましょう」という。長者が「一千石もある米をどうやって運べばよいのでしょう」と問うと、法師は「まず、米一俵を鉢の上に置きなさい」という。
すると一俵を載せた鉢が飛び立ち、残った米俵も続いて次々と舞い上がり、長者の家に落ちたのだった
この命蓮法師の法力などは天狗界でいう験力と似たようなものだろうとおもうし
倉が飛ばせるなら岩も飛ばせるだろうとおもいます
だからと言って 三田の空鉢山に天狗がいたという証明にはならないのですがね
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