室町時代
伊賀盆地の石仏は地蔵さんが数では圧倒していますが 阿保から青山羽根の辺りの初瀬街道沿いには阿弥陀さんが多く残っています
青山羽根安楽寺の無縁塔に並ぶ双仏石です 長方形を枠取りして浅い石龕とした中に 右に阿弥陀さん左に地蔵さんが半肉彫りされています
その近くにも同じ形式の双仏石 こちらの二尊は右に阿弥陀さんと左に観音さんという組み合わせになっています このデュエットはあまり見かけることがありませんね 観音さんは左手を与願に結び右手に蓮華瓶を持っています
このような正方形の隅切りの中を彫り窪めて二尊を並べた箱仏には 羽根蓮福寺に延元四年(1339)銘の美しい仏さんがありますが 旧青山町から名張市の南部ではよく見かけるスタイルです
こちらの阿弥陀さんは自然石を正方形に深く彫り窪めて石龕としています 阿弥陀さんの頭上の龕部に釈迦の種子バク भः が刻まれています
無縁塔には他にもたくさんの仏さんが並んでいて なかなか賑やかです
お寺のすぐそばの路傍に集められた小石仏の中にも
結跏趺坐する阿弥陀さんをみつけました
参考書籍
「伊賀の石仏拓本集」P204〜205 市田進一
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