室町時代
伊勢市有形文化財

伊勢の曼荼羅石
伊勢経ヶ峰(現在の永代山)にあった建武二年銘の曼荼羅石は東京の富豪に売却されていて不明 現在に残されている曼荼羅石は 志摩神明神社の暦応二年銘曼荼羅石 伊勢寿厳院の曼荼羅石 和具不動院の曼荼羅石 そしてここ伊勢市の中村墓地に残る菩提山神宮寺の曼荼羅石です
伊勢市中村町の中村墓地 伊勢市内は道が狭いので離れた場所に車を停めて歩きました しばらく続く坂道を登り切ると よく整備された共同墓地の一隅の小さな雨覆いの下に曼荼羅石はありました

菩提山神宮寺の曼荼羅石
現地案内板より引用
市指定有形文化財 昭和54年2月1日指定
高さ115㎝、幅83㎝、奥行110㎝。本石の正面全体に大きく浅い円相がえがかれ、その中に向かって右上方から円相を伴う「अं(普賢菩薩)」、「आ(開敷華王如来)」「मं(文殊菩薩)」の三種の種子が伺える。胎蔵界曼荼羅の中台八葉院であろう。
また、右側には方形の刻みの中央に大日如来の種子らしいものがうかがえる。他は磨耗がひどくて判読できない。上記胎蔵界とあわせて、金剛界曼荼羅戌身会五尊のひとつであろうか。その向かって右上に「大同二年空海刻之」の文字らしいものがあったが、現在では欠損により全文を判読することはできない。ただし、これは追刻であろう。
本石は「伊勢参宮名所図会」(寛政9年<1797>)にも記されているとおり、もと中村町の菩提山神宮寺にあったが、廃寺後、市内各地を経て昭和52年に中村町の有志によって現在の場所に建てられた。平成19年伊勢市教育委員会

廃仏毀釈の嵐の中で流転の運命を辿った曼荼羅石です
参考書籍
「伊勢市史第七巻文化財編」P340 伊勢市
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