風宮十三仏石塔 伊勢市宇治浦田今北山墓地

天正十八年(1590)
伊勢市指定文化財

布引山脈の東側の平野部には 特に伊勢周辺には十三仏などは残ってはいないだろうと思っていましたが 伊勢市の指定文化財の中に「風宮十三仏石塔」という名を見つけて さっそく今北山墓地に向かいました
宇治橋供養塔の建つ墓地として所在は知っています 宇治浦田交差点の近くの広大な墓地です
中央通路から左右に伸びたたくさんの脇道に一つ一つ入って丹念に探していくと 墓地の左手奥に小ぶりな十三仏が見つかりました

上部に「逆修」と刻んだ舟形の石板に十三の仏と 更に最下部に一体が加わり十四の仏が彫られています 石板の右には「為十方旦那」 左には「風宮妙生上人」とあります

風宮十三仏石塔

内宮の風日祈宮橋(かざひのみのみやばし)の擬宝珠には「明應七年 戌午 本願観阿弥」の刻銘が残っていますが この観阿弥を祖として妙生上人が風宮家の四代となるようです 架橋の為の勧進をおこなった勧進聖(風宮家)が 寄進者の逆修を祈願して建てたもののようです

風宮十三仏石塔

最下段には「道観」「妙経」と供養者の名があり その中央には十四体目の仏の姿が刻まれていますが 風宮家が元は高野山系の聖であったいわれていて それならば この像は弘法大師と見るのがよいでしょうか 天正十八年(1590)に建立されています

さて墓地の中央付近には2.5mほどの宝篋印塔が残されています 天正八年(1580)に建立された宇治橋供養塔です 宇治橋の竣工時に橋の傍に建立されたものが後にここに移されたものです この時の橋供養では1,500人余の僧侶が法華経2万部を修誦したといいます こちらも市の指定文化財です 十三仏はこの宝篋印塔の曲がり角を過ぎて二つ目の小道を左に曲がると見つかけることがでます

参考書籍

「伊勢市史第七巻文化財編」伊勢市P336

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