天正八年(1580)
中村川の上流 周囲を山に囲まれた合ヶ野 平成の合併でこの辺りも今は松阪市内である その松阪市内では古い石仏と出会える機会は滅多にないが ここ合ヶ野には天正銘の地蔵さんが残されている
合ヶ野集会所のすぐ隣 玉砂利を敷いた鳥居の奥にある石の祠の中で地蔵さんの笑顔が覗いていた
コの字に組んだ石材の上に笠石を載せて龕部として その中に像高80㎝ほどの地蔵さんが立っている
像脇右側に「大乗願常□□□」 像脇左側に「天正八年願主□□□」の銘文と 光背上部に地蔵の種子 ह が彫られている 「石厨子に天正八年の刻銘」と書かれた書籍もあるが(嬉野町史 角川日本地名大辞典)龕部に銘文は確認できない
錫杖と宝珠を持った地蔵さんだが 地元では「合ヶ野不動さんと」として祀られていたようだ
参考書籍
「嬉野史-文化財民俗編」嬉野町 P375
「三重県古銘集成」和田年弥 P180
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