昭和橋北詰の地蔵磨崖仏 名張市上長瀬

寛永年間

「長瀬の吊り橋」と親しまれた昭和橋 今年1月(2022年)にとうとう撤去されてしまいました 淋しい気持ちがします 北詰の墓石墓はどうなっているだろうか せめてもっときちんと写真を撮っておけばよかった 

橋の北詰に集められた墓石墓の中に埋もれていた磨崖の地蔵さん 小さな舟形を彫り窪めたなかに 像高20cmほどの小さな地蔵さんが刻まれています
地蔵さんの右側には五輪塔が五基並べて彫られているが 見えるのは空輪だけで 風輪から下は土の中に埋もれてしまっています 五輪塔の左側には「寛永□年六月七」と刻銘が読みとれるようです

よく見て回ってみると もう一体 隅取りした方形を彫り窪めた中に やはり小さな地蔵さん その左側にはやはり五輪塔が刻まれていまれています

それにしても ここの仏さんらは独特の雰囲気を持っています 上比奈知や八知の願音寺でもお目にかかっている 多分同じ石大工の手によるものだとおもいますが 反りのある舟形の石板の上部に種子を刻み 尊像は厚い肉彫りにしています  長い着物を羽織ったような衲衣を纏っています

観音さん二体 頭上に観音の種子サ स  足元が隠れてしまうほど長い衲衣を羽織っています 髻を高く結っていてまるで唐輪髷とか中国の結髪のようにも見えます 少し前の写真なので現在は多少様子が変わっているかもしれません

頭上の梵字が見えないが やはり同じような観音さんだろうか

頭上にキリーク ह्रीः を刻んだ阿弥陀さん 

左が一石彫成の五輪塔 中央が阿弥陀さんと浮き彫りにした五輪塔 右は両手で宝珠を持っています 地蔵さんでしょうか

昭和2年に架けられたので「昭和橋」と呼ぶのでしょうが 阿弥陀橋と呼ばれた頃もあったようです 90年以上ものあいだご苦労さまでした

参考書籍など

「名張の金石文撰ー石仏•石塔編」P120 名張金石文研究会

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