養徳寺の一字一石観音 松阪市矢津町

年代不詳

松阪市内には中世の在銘石仏が少ないのです
わたしが知らないだけかもしれませんが
永禄四年銘の天華寺墓地の地蔵さん 天正八年銘の合ヶ野の地蔵さんくらいしかおもいつきません
神宮との関係が深い土地柄ということもあるのかもしれない
近世に入るまで集落が未発達だったのかもしれない
あるいは廃仏の影響か

矢津町の養徳寺には 永禄元年の地蔵さんがおいでと聞きますが
いまだにお会いできずにいます
諦めきれずに 少し前にも バイクで訪ねてみたんです

境内に立つ観音さん
光背を見ると
『普門品一巻 壱石一字納瓶』とある
普通は逆さまに読んで 「一字一石経」とか「一字一石経塚」とか「一字一石塔」
などと言うが
小さな石ころに一文字ずつ経典を書き写して地中に埋めて そこに石塔などを建てて経塚とすることが江戸時代に流行した
「普門品」は法華経の中の観音経のことで
一巻 2,500文字くらいだろうか 一つの石に一文字ずつ書写して 瓶に入れて埋納した
ということだろう

青面金剛さん 一面六臂で一部に彩色の跡があります

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