キトラ地蔵 津市戸木町

年代不詳

キトラ地蔵さんのことを知ったのは もう十年以上も前のことになります
久居のふるさと文学館の郷土資料コーナーで見つけた
『郷土の文化 ふるさとを語る昔話』という冊子の中に
「夜遊びをする地蔵さん」として紹介されていました

「戸木口交差点北側の道路沿いにブロック造りの小さなほこらがあります〜」

ずっと津市の西部で勤めていたので そのブロック造りの小さなほこらはよく知っています
そうか キトラ地蔵さんというのか 仕事帰りに寄ってみよう と思っていたのですが
それからあっという間に月日は流れ
気がつくと 仕事を辞めて5年も経ってしまっています
うかうかしていると当方の寿命が尽きてしまいそうなので
いまさら慌てて出かけてみました

祠の中には石棺の蓋がお祀りされていました ホゾ継ぎに使ったのだろう溝が彫られていて
キトラ地蔵さんと呼び習わされてはいますが 地蔵さんの姿は刻まれていないようです

キトラ古墳の「キトラ」は玄室に描かれた四神の中の玄武と白虎のこととおもういますが
『郷土の文化 ふるさとを語る昔話』では「北浦」という地名を充てています
とするとこの地蔵さんは「北浦」という地に由来するものでしょうか

この地蔵さんの近所には「裏向き地蔵さん」という地蔵さんもおられるらくて
農業用水路の橋になって裏向きに横たわっておいでなそうな
時々キトラ地蔵さんが「町に遊びに行こに」と裏向き地蔵さんを誘いにいかれると
連れ立って遊びに行かれるらしい その際に夜道を照らす赤い神火が時々見られるといいます

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